Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 12

北大 前期試験

受験生のみなさん前期試験おつかれさまでした。


北大の問題について雑感を書きたいと思います。
ただし数学・物理のみです。時間の都合で、英語・化学は流し見しかしてません。

それと、医学部受験生の目線で書いてるので、その他の学部の受験生の方は注意してください。



○数学

大問4以外は全体的に解きやすいですね。
特に、大問2、5は確実に完答しておかないと厳しいです。


大問5は、(3)の35通りくらいだったら数え上げでもいいですよね。

求める確率をP4までにしているあたりから、出題者側も数え上げを拒んではないはずです。
コンビネーションを使って解ける人だったら、P5もP6もすぐに出せますからね。あえて35通りにとどめているのは出題者の良心だと思います。

こういう、スマートに計算すればすぐ出るけど数え上げるとけっこう時間がかかるような問題は、センターで良く出ますね。


大問1は北大にしては誘導が少ない気がしますが、与えられた条件を素直に数式に変換していけば何とかなる問題です。
たとえ、kの範囲が出せなかったとしても、(2)は解けるはずです。
ただし、その場合は、k≠±1のとき~、って場合分けが入っちゃうので、答えは多少変わってきちゃいますが、それでも、大問全体で7~8割の点数は貰えるはずです。


大問2に関しては特にコメントなし。
大問3もそうですけど、三角関数の微積はここ数年毎年出てますね。


大問3は、(1)→積分→(2)→ハサミ打ち→(3)の流れが分かりやすい問題と思うので(1)が解ければ問題ないでしょう。
(1)の左側の不等式の証明も、2回微分を使うわりと良くあるタイプです。ひどい問題だともう一回微分することもありますね。

ちなみに、(3)をハサミ打ちを使わずに解けるかなと思ってけっこう考えたんですが、結局ダメでした。
三倍角の公式使っていけるかと思ったんですが。誰か解けたら教えてください。


そして、問題の大問4ですが、北大には異色の問題ですね。
一般的に、必要十分条件がらみの問題だと、十分性の証明がけっこう面倒で、必要性の証明はあっさり、っていうタイプが多いと思いますが、この問題は逆です。

(3)も丁寧にやろうとすると、証明する内容が多すぎて時間的に厳しいと思います。この問題は解けなくてOKです。


全体で見れば、解きやすくはなってるので、大問1、2、3、5を3完1半(1半はできれば計算ミス程度が望ましい)で、大問4は(1)と(2)の十分条件を求めるところまで解けば全体で8割ちょっと。
易化を考慮してもお釣りがくる点数です。



○物理

物理に関しては、しっかり難易度を把握しておこうと思って、時間を計ってちゃんと解いてみました。
かかった時間は、大問1:15分、大問2:20分、大問3:19分でした。
本番の緊張感だったら+5分くらいはかかるはずなので、例年に比べれば分量は若干増えてますね。

難易度評価するなら、大問1:標準、大問2:標準、大問3:やや難、ってとこです。かなり主観入ってますけど。



<大問1>
問1はただの放物運動で問題無いと思います。
問2は相対運動が中心でやや分かりづらいかと思います。去年も力学と波動で相対運動が出題されたし、最近流行り気味ですね。

相対運動は、運動している物体(この問題でいう観測者B)から見た運動を考えるのがセオリーですね。
ここでは、斜面に対して小球が垂直にバウンドするだけなので運動自体は非常に単純です。

観測者Bから見た運動を大雑把に考えると、下向きにv、左向きにVの速度で小球が斜面に衝突して、向きが反転して上向きにv、右向きにVの速度になるだけです。
ここで、√(v^2+V^2)の速度で小球が衝突したから~、と考えてしまうと色々面倒なことになります。

大問1は、最低でも(8)までは解いておきたいです。(9)~(12)はほとんどセットで、全部解けるか全部解けないかのどっちかだと思うので、これを解き切れれば大きな差になります。

完全な余談になりますが、力学の問題で力積が問われたのは前期後期合わせてもここ15年で今回が初です。
荷電粒子や気体分子の運動ではちょこちょこ問われてますけどね。


<大問2>
大問2は問題は基本的でも時間がかなりかかったと思います。特に問1。

問1のような、ガチガチの合成抵抗問題も今世紀初の出題です。
センターではたまに出るので、さすがに合成抵抗の公式を知らない人はいないでしょうが、ちょっと抵抗が多すぎて、やる気が出ないですよね。電池に内部抵抗を入れてしまうあたりがとても嫌らしいと思います。

問2は非常に典型的な問題で、北大でも'07後期に類題が出てますね。良くあるのは最後に外力の大きさを答えさせるパターンですが、今回はそれもなくあっさりとした問題です。ここは問題ないでしょう。

問3は、1~2分で解きたいところです。電気振動の周期はもちろん、最大電流も暗記している人が多いと思います。ここは電気容量Cだけ代入しておしまいです。

大問2は計算量多いですが、典型問題しかないので完答しておきたいですね。


<大問3>
問1の定圧変化は、北大の最頻出項目で過去に何度も出ています。ピストンに質量があるタイプだと'07後期にほぼ同設定の問題がありますが、過去の問題と比べると、この問1の問題は一番解きやすいと思います。(7)の定圧モル比熱は、流れを無視して答えを書いてしまいましょう。

問2は珍しい問題です。最初、問題文を読んだときにシリンダーの質量が書かれていて何事かと思いましたが、問2で持ち上げちゃってるんですね。
見慣れない問題なのでとっつきにくいですが、何がどれだけ動いているのかきちんと把握すれば難しくはないと思います。

それと(9)の外力の大きさを求める問題。これは厳密には、「シリンダー内部の気体がシリンダーを下方に押す力」を考えて力のつり合いの式を立てる訳ですが、シリンダー・ピストン・気体を全て一体として考えてしまえば簡単に求まりますね。
力学の内容になりますが、基本的に、くっついて互いに対して静止している物体どうしはすべて一体として考えた方が簡単です。

大問3全体としては、問1をまず解ききって、問2の(11)(12)も基本問題なので確実に答えるべきところです。


物理全体では、難易度を考慮して、6問ミスまでなら上出来だと思います。
ビハインドを負わないぎりぎりのラインが9問ミスくらいではないでしょうか。



というわけで、前期試験の感想終わりにします。
申し訳ないですが、英語化学については触れません。

でも、予備校の講評を見るとどちらも難化したみたいですね。
なので合格最低点は去年とほとんど変化ないと思います。

センター易化と倍率アップの影響は、せいぜい+5~6点です。数学易化を多めに取っても合わせて+15点。
英語・理科の難化が-15点あれば、ボーダーは変わらない計算になります。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 12

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>